ドイツを鉄道で巡るなら、周遊パスを買う前に調べてほしい月63ユーロの切符
ミュンヘンからノイシュヴァンシュタイン城の近くまで、ケルンからライン川沿いの古城の町へ。ドイツは、鉄道で町から町へ移っていく旅がよく似合う国です。
ヨーロッパを鉄道で回るなら、まずユーレイルパスのような周遊パスを調べる人が多いはずです。ただ、パスは数万円。数日の旅だと元が取れるか迷う値段です。
実はドイツには、それよりずっと安く、地元の人が毎日の通勤や通学に使っているきっぷがあります。
月63ユーロで、ドイツ全国の普通列車が乗り放題
「ドイチュラントチケット(Deutschlandticket)」は、2026年1月から月63ユーロで、ドイツ全国の地域列車と市内交通が乗り放題になるきっぷです(ドイツ鉄道 Deutsche Bahn)。
乗り放題になるのは、次の乗り物です(2等車)。
- 地域列車(RE、RB、IRE)
- 都市近郊列車(Sバーン)
- 地下鉄(Uバーン)、路面電車、路線バス
旅行者でも買えます。ドイツの銀行口座は必要なく、ドイツ鉄道のアプリ「DB Navigator」で、クレジットカードやPayPalで支払えます。
特急には乗れない
気をつけたいのは、ICE、IC、ECといった長距離の特急列車には乗れないことです(同)。
ドイツの大都市間は、ICEなら数時間で結ばれています。ドイチュラントチケットで同じ区間を移動しようとすると、地域列車を何本も乗り継ぐことになり、時間は倍以上かかることがあります。
| ドイチュラントチケット | 特急のきっぷ | |
|---|---|---|
| 料金 | 月63ユーロで乗り放題 | 区間ごとに購入 |
| 乗れる列車 | 地域列車・市内交通 | ICE・IC・EC |
| 向いている旅 | 1つの地域をじっくり回る | 大都市間を速く移動する |
「ミュンヘンを拠点に、バイエルン地方の町を日帰りで回る」「ライン川沿いの小さな町を、普通列車で一つずつ訪ねる」。こうした旅なら、このきっぷは周遊パスよりはるかに安く済みます。
1週間の旅でも、1か月分を払う
もう一つの注意点は、このきっぷが**月単位の定期購読(サブスクリプション)**だということです。
- 1日や1週間だけの販売はなく、最低でも1か月
- 有効なのは暦の月(1日から月末まで)。月の途中で買っても、その月の月末までしか使えない
- 解約しない限り、翌月も自動で更新されて63ユーロが引き落とされる
- 解約は毎月10日までに手続きすると、その月の末で終わる。10日を過ぎると、翌月末までの契約になる
1週間の旅でも、払うのは1か月分の63ユーロです。それでも、普通列車と市内交通に何度も乗る旅なら、十分に元が取れる金額です。
いちばん避けたいのは、解約を忘れたまま帰国することです。日本に帰ってから毎月63ユーロが引き落とされ続けることになります。購入したらすぐに、帰国前の日付で解約の手続きを済ませておくのが確実です。
スマートフォンが、きっぷになる
ドイチュラントチケットは、アプリの中のスマートフォン画面がきっぷになります。
写真: MissyWegner / CC BY-SA 4.0
車内の検札では、スマートフォンの画面とパスポートを見せます。スマートフォンの電池が切れると、きっぷを見せられません。
ドイツのコンセントは日本と形が違う「Cタイプ」です。ホテルで毎晩しっかり充電できるように、USBの充電口が付いたCタイプの変換プラグを用意しておきましょう。
買う前のチェックリスト
- 旅のルートは、特急を使わずに地域列車で回れるか
- 旅の日程は、どの月にまたがるか(月をまたぐと2か月分)
- DB Navigatorアプリを入れ、クレジットカードで購入できるか
- 購入したら、すぐに解約の手続きをしたか
ドイツの町を普通列車でのんびり巡る旅なら、63ユーロのきっぷ1枚が、いちばんの節約になります。
ヘッダー写真: WolWel / CC BY-SA 3.0(Wikimedia Commons)