冬の北海道で4WDのレンタカーを選んだ人ほど気をつけたい下り坂

冬の北海道を車で回るなら、レンタカーは4WD。旅行の計画を立てる人なら、まずそう考えます。新千歳空港のレンタカー会社の予約画面でも、冬の北海道では4WDが選べる車種が並びます。スタッドレスタイヤに4WD。これだけそろえば、雪道でも安心して走れる。

実際、走り出してみると4WDは頼もしい存在です。圧雪の交差点でも、凍った坂道の途中で止まっても、タイヤが空回りせずにすっと動き出す。2WDの車がうまく発進できずにいる横を、余裕を持って抜けていけます。

坂を登りきれる車と、登れない車

この頼もしさは、数字でも確かめられています。JAF(日本自動車連盟)は、2WDと4WDを2台ずつ用意し、新品のスタッドレスタイヤを履かせて、圧雪路で走行テストを行いました。勾配20%の急な坂道では、2WDはスリップして登りきれなかったのに対し、4WDは安定して登りきっています(JAFユーザーテスト「4WDなら雪道でも安心?」)。

ここまでなら、「冬は4WD」という選択は正しかったことになります。ただ、このテストには続きがありました。

止まるまでの距離は、どう変わるか

JAFは同じ4台で、圧雪路でブレーキをかけて止まるまでの距離も比べています。

平らな道では、2WDも4WDも、止まるまでに20〜22mかかりました。駆動方式による差は、ほとんどありません。

差が出たのは、勾配9%の下り坂です。2WDの2台が約29〜33mで止まったのに対し、4WDの2台は約35〜40m。4WDのほうが、止まるまでに長い距離を必要としました(同)。最も重かった車種では、下り坂での制動距離が平らな道の約2倍に伸びています。

4WDは、エンジンの力を4つのタイヤに伝えて「進む」ための仕組みです。止まるときに働くのはブレーキとタイヤで、4WDだからといって効きがよくなるわけではありません。むしろ、4WDの車は仕組みのぶん重くなりやすく、その重さが下り坂では止まりにくさとして表れます。

写真: pakku / CC BY 3.0

峠の下りで、足りなくなる数メートル

北海道の冬のドライブには、峠越えがつきものです。上りでは、4WDのおかげで2WDより楽に登っていける。その感覚のまま峠の頂上を越え、同じペースで下りに入ると、前の車がブレーキを踏んだとき、思ったより止まらない。上りで感じた安心が、下りで逆に働きます。

JAFのテストで2WDと4WDの差は数メートル、平らな道と比べれば十数メートル以上です。その数メートルは、雪道の下り坂では、前の車との間に空けておくべき距離そのものです。

下りの手前で、もう一度スピードを落とす

4WDを借りること自体は、冬の北海道では理にかなった選択です。変えるべきなのは、下り坂での運転のほうです。

4WDは、雪道で「進める」車です。「止まれる」車にするのは、下りの手前でアクセルを緩めるドライバーの足です。

ヘッダー写真: Sgroey / CC BY-SA 4.0(Wikimedia Commons)