e-Visaを取り忘れてもインドに行ける?日本人に認められている入国の方法
日本国籍、韓国籍、アラブ首長国連邦(UAE)国籍。インドが「空港に着いてから」ビザを出してくれるのは、この三つの国籍の人だけです。
インド旅行を調べはじめると、ほとんどの情報が「まずe-Visaを申請」から始まります。もちろんそれは正しい手順です。ただ、日本のパスポートを持っている人には、世界の大半の旅行者が持っていない選択肢が、もう一つ用意されています。
e-Visaの申請画面を開く前に
インド政府のビザ申請サイトには、ビザ・オン・アライバル(到着ビザ)の案内が載っています。対象は日本・韓国・UAEの国籍者で、目的は観光・商用・会議・治療、滞在は60日以内。入国審査官の判断で、**最長60日・ダブルエントリー(2回まで入国可)**のビザがその場で押されます。
手順も単純です。到着した空港の「Visa Counter」で申請書を書き、条件を確認されたうえで手数料を払うと、パスポートにビザのスタンプが押されます(在福岡インド総領事館の案内)。手数料は1人2,000ルピー、または同額の外貨で、子どもも同じ額がかかります。
出発直前に「e-Visaを取り忘れた」と気づいた人、仕事の都合で渡航が急に決まった人にとって、これは知っているかどうかで旅の成否が分かれる制度です。
降り立つ空港が、六つのどれかであること
ただし、どこから入国してもいいわけではありません。到着ビザが出るのは、次の6つの国際空港だけです。
- デリー
- ムンバイ
- チェンナイ
- コルカタ
- ベンガルール
- ハイデラバード
インドには国際線が発着する空港がほかにもあります。たとえばビーチリゾートのゴアや、聖地バラナシ、南部のコーチに海外から直接降り立つ場合、そこはこの一覧に含まれていません。陸路で隣国から入る場合も同じです。
周遊ルートを「ゴアから入ってデリーから帰る」と組んだ人は、入口の空港で到着ビザを受けられないことになります。e-Visaで入国できる空港や港はこれより多いので、ルートによってはe-Visaのほうが選択肢が広い、という逆転も起きます(インド政府のe-Visaサイトで一覧を確認できます)。
空港のカウンターで確かめられること
到着ビザは「行けば必ずもらえる」ものではなく、審査官がその場で条件を確認して出すビザです。インド政府の案内に書かれている主な条件は次のとおりです。
- 滞在が60日以内で、目的が観光・商用・会議・治療のいずれか
- インド国内に住居や職業を持っていない
- パスポートの残存期間が6か月以上ある
- 帰りの航空券か、インドから次の国へ出る航空券を持っていて、滞在中の十分な資金がある
最後の条件は見落とされやすいところです。片道航空券だけで入国し、帰りは現地で決めようと考えている人は、到着ビザの前提を満たせません。また、本人や両親・祖父母がパキスタン生まれ、あるいはパキスタンの永住者だった場合、この制度は使えないと明記されています。
写真: Neo198717 / CC BY-SA 3.0
「空港で取れるなら、e-Visaはいらない」とも言い切れない
では、日本人は全員到着ビザでいいのかというと、そうとも言えません。
到着ビザは、飛行機を降りてから手続きが始まります。申請書の記入、書類の確認、手数料の支払いを経て、ようやく通常の入国審査の列に進む。デリー空港で到着ビザを取った旅行者のブログには、カウンターでの手続きの様子や、書類をそろえておくとスムーズだったという記録が残っていますが、かかる時間は便の到着が重なるかどうかでも変わり、一定ではありません。
深夜にデリーへ着いて、翌朝早くに国内線や列車で移動する予定がある人。空港に迎えの車を頼んでいる人。そうした旅程では、事前にe-Visaを済ませておいたほうが到着後の見通しが立ちやすいのも事実です。
逆に、デリーやムンバイから入って同じ6空港のどれかから帰る、滞在は60日以内、帰りの航空券もある——という旅なら、到着ビザは十分に現実的な選択肢になります。どちらが正しいかではなく、自分の旅程がどちらの条件にはまるかで選ぶものです。
もう一つの選択肢を、ルートを決める前に
インドのビザを考えるとき、多くの人はビザの種類を選ぶところから始めます。けれど日本のパスポートを持つ人が最初に決めるべきなのは、実はどの空港から入り、どこから出るかです。
入口が6空港のどれかで、60日以内、帰りの航空券がある。その三つがそろえば、e-Visaを取りそびれても、旅はまだ始められます。
ヘッダー写真: Ravi Dwivedi / CC BY-SA 4.0(Wikimedia Commons)