モロッコで両替したら、レシートは帰国まで捨てないで

マラケシュに着いた日、空港の両替所でユーロをディルハムに替える。窓口で紙幣と一緒に小さな紙を渡されますが、スークの迷路に向かう頭はもう別のことでいっぱいです。紙はポケットに入れたまま、その日のうちにどこかへ消えてしまいます。

スークでは値段交渉の末にランプを一つ買い、ジャマ・エル・フナ広場の屋台でタジンを食べ、ミントティーを何杯も飲む。ディルハムは思ったほど減らず、帰国の日の朝、財布にはまだ数百ディルハムが残っています。空港で戻せばいい。どこの国でも、そうしてきました。

出国の前に、窓口で聞かれること

空港の両替所で残りのディルハムを差し出すと、係員が尋ねます。「両替したときの紙はありますか」。

モロッコで外国人旅行者が余ったディルハムを外貨に戻すには、到着後に両替したときの**両替証明書(bordereau de change)**が必要です。モロッコの外国為替を管理する外国為替庁(Office des Changes)は、正規の両替所や銀行で両替した外国人旅行者はこの証明書を受け取ることができ、滞在の終わりに手元に残ったディルハムを、この証明書をもとに外貨へ戻せると案内しています(Office des Changes FAQ)。

到着の日にポケットから消えた、あの小さな紙のことです。

写真: Freepius / CC0

持って帰っても、使い道がない

紙がないなら、ディルハムのまま日本へ持って帰ればいい。そう考えたくなりますが、ここにも壁があります。

ディルハムは、国外への持ち出しが制限されている通貨です。米国務省の渡航情報は、モロッコの通貨の国外持ち出しは禁止されていると案内しています(U.S. Department of State, Morocco)。仮に持ち出せたとしても、ディルハムは国外ではほとんど流通していない通貨で、日本で円に戻せる場所はかなり限られます。

つまり、両替証明書をなくした時点で、財布に残ったディルハムは、出国前にモロッコの中で使い切るしかないお金になります。空港の売店で、必要のないお菓子や雑貨を買って使い切る。それが、多くの旅行者が最後にたどり着く結末です。

最初の両替で受け取る紙を、最後まで

この結末を避ける方法は一つです。

帰国の朝に財布の中のディルハムを数えるとき、一緒にあの紙が出てくるかどうか。モロッコの旅の最後の両替は、初日の窓口で受け取った一枚で決まります。

ヘッダー写真: Max221B / CC BY-SA 4.0(Wikimedia Commons)