ストックホルムでワインを買うなら要注意、スーパーの棚に並んでいない理由

ストックホルムのスーパーに入ると、飲み物の棚にはちゃんとビールの缶が並んでいます。値段も手ごろで、種類も多い。ワインの棚が見当たらないのは店が小さいからだろう、日曜の朝にでも大きめの店で探せばいい——そう考えて、土曜の午後を観光に使う旅行者は少なくありません。

けれど、その棚の缶を一本手に取って、ラベルの隅を見てみてください。アルコール度数は、どれも3.5%以下のはずです。

スーパーの棚にあるのは「ビールに似たもの」だけ

スウェーデンでは、アルコール度数3.5%を超える飲み物を店頭で売ることができるのは、国が100%出資する酒類の専売会社**Systembolaget(システムボラーゲット)**だけです。ワインも、度数の高いビールも、アクアビットのような蒸留酒も、スーパーやコンビニでは一本も売られていません。スーパーに並ぶのは「フォルクエール(folköl)」と呼ばれる、3.5%以下の軽いビールや発泡酒です。

つまりストックホルムでワインを買って帰るなら、行き先は最初から一つに決まっています。緑の地に黄色の文字の看板を掲げた、あの店です。

写真: Christian Koehn / CC BY-SA 3.0

店内は、ヘッダーの写真のように明るく広く、世界中のワインやビールが産地別に整然と並んでいます。品揃えに困ることはまずありません。困るのは、開いている時間です。

緑の看板の店は、土曜の15時に閉まる

Systembolagetの店舗の多くは、平日は夜まで営業していますが、土曜日は15時ごろで閉店し、日曜日は全国すべての店が休みです。祝日も休みで、公式の祝日営業案内によれば、クリスマスイブ(12月24日)は閉店、大晦日は15時までといったように、祝日の前後にも営業時間が変わる日があります。

これは人手の問題ではありません。Systembolaget自身が「なぜ閉まっているのか」というページを設け、営業時間を限ることはアルコールによる害を減らすための政策の一部だと説明しています。土曜日の早い閉店も、日曜の休業も、わざとそうしているのです。

ここで、最初の旅程を思い出してください。土曜の午後は観光、日曜にワインを買って帰国。この予定では、ワインを買える時間が一度もありません。土曜の夕方に店の前へ着いたときには、シャッターはもう下りています。

なお、Systembolagetで買えるのは20歳以上で、年齢を確かめるために身分証明書の提示を求められることがあります。旅行者ならパスポートを持っていきましょう。

日曜に発つ人の、最後の売り場

もし土曜の15時に間に合わなかったら、もう打つ手はないのか。実は一つだけ、日曜でもワインを買える場所があります。帰りの空港です。

ストックホルム・アーランダ空港の免税店では、EUの外へ向かう旅行者に限って、ワインや蒸留酒を免税で販売しています(Swedavia アーランダ空港 ショッピング)。日本へ帰る人は、この条件に当てはまります。

ただし、ここにも注意があります。

「日曜は空港で買えばいい」は保険にはなっても、第一の選択肢にはしにくい。だからこそ、土曜の午前中にSystembolagetへ寄ることを、観光の予定より先に決めておく価値があります。

スーツケースに入れる前に、数えておくこと

無事にワインを手に入れたら、あとは持ち帰り方です。

日本の税関では、酒類は1本760ml程度のもので3本までが免税の範囲です(税関 海外旅行者の免税範囲)。それを超える分は、帰国時に申告して税金を納めます。

また、Systembolagetで買ったボトルは、そのままでは預け荷物の中で割れる心配があります。衣類で巻くだけでは、瓶どうしがぶつかったときや、スーツケースが投げ込まれたときの衝撃を受け止めきれないこともあります。スーツケースに入れるワインボトル用のプロテクターを持っていけば、瓶を一本ずつ包み、万一割れても中身が他の荷物に広がるのを防げます。

土曜の午前中に、緑の看板を目指す

ストックホルムでワインを探すのは難しいことではありません。店は街の中心にいくつもあり、品揃えも豊富です。難しいのは、それが「いつでも買える」わけではないと、先に知っておくことだけです。

スーパーの缶ビールは3.5%まで。ワインはSystembolagetだけ。そのSystembolagetは土曜の15時に閉まり、日曜は開かない。この三つを旅程に書き込んでおけば、帰りのスーツケースには、買うつもりだったボトルがきちんと収まります。

ヘッダー写真: Vojtasekd / CC BY 4.0(Wikimedia Commons)