プラハで両替するなら知っておきたい、損をしても取り返せるルール

プラハの旧市街を歩いていると、数十メートルおきに「SMĚNÁRNA」「EXCHANGE」の看板が目に入ります。店先の電光掲示板には各国通貨のレートが並び、大きな文字で「0% COMMISSION」。手数料ゼロなら、どこで替えても同じだろう。カードが使えない屋台のトルデルニークや、トラムの切符代くらいは現金で持っておきたい。

そう思って、目についた一軒で100ユーロを出す。窓口の向こうから、コルナの紙幣が数えて差し出されます。財布にしまって、店を出る。

広場に着いてから、計算してみる

旧市街広場のベンチで、スマートフォンの為替アプリを開いてみます。100ユーロなら、本来はこのくらいのコルナになるはず。財布の中の紙幣を数え直すと、思っていたよりかなり少ない。

レシートをよく見ると、店先の掲示板に大きく出ていたレートは「高額を両替した場合」のもので、100ユーロに適用されたのは、ずっと不利なレートでした。手数料は確かにゼロ。そのかわり、レートそのもので差をつけていたわけです。

プラハの両替所でこうした苦情が多いことは、チェコでも長く問題になってきました。チェコ国立銀行は、不利な条件の両替を続けたプラハの両替所の営業許可を取り消したこともあります(Radio Prague International)。

もう両替は済んでしまった。高い授業料だと思って諦めるしかない——多くの旅行者は、ここで話を終わらせます。

チェコの法律が用意している「3時間」

ところがチェコには、この場面のための決まりがあります。

チェコ国立銀行が旅行者向けにまとめた「両替所の利用者のための10のルール」によると、両替所で両替をした客は、両替から3時間以内であれば、理由を言わずに、無料で取引を取り消すことができます。取り消せるのは1,000ユーロ相当までで、両替所は返された現金を受け取り、元の通貨を返さなければなりません。取り消しの確認書も発行する義務があります(Czech National Bank, Ten Golden Rules for Bureau-de-Change Clients)。

この権利は2019年の法改正で導入されたもので、手数料ゼロをうたいながら不利なレートで両替させる店への対策として生まれました(Radio Prague International)。

取り消しに必要なのは、受け取ったものを全部

取り消すときに必要なのは、次の三つです。

3時間は両替した時刻から数えます。店を出たらまずレシートを財布にしまい、受け取った金額をその場で確かめる。おかしいと思ったら、観光を続ける前に引き返す。両替した直後なら、まだ十分に間に合います。

プラハで両替をしたら、店を出る前にレシートと紙幣を数える。そのひと手間をしておけば、看板の「0%」にだまされても、3時間のあいだならやり直せます。

ヘッダー写真: A.Savin / FAL(Wikimedia Commons)