日本では普通でも、シンガポールでは拘束も。持ち込んではいけない身近なもの
シンガポールは、ルールに厳しい国として知られています。ガムは持ち込めない、道にごみを捨てれば罰金、横断歩道以外で道路を渡っても罰金。出発前にそうした話を一通り読んで、ガムはスーツケースから出しておく。紙巻きたばこは持ち込みに税金がかかるらしいので、今回は持っていかないことにする。
かわりに、ふだん使っている加熱式たばこを、充電器と一緒にリュックの外ポケットへ。日本ではコンビニで当たり前に売っていて、駅の喫煙所でも周りの半分くらいの人が使っている、あれです。煙も出ないし、紙巻きたばこではない。
日本では「たばこの一種」でも
日本の加熱式たばこは、法律上はたばこ製品として扱われ、たばこ税もかかっています。紙巻きたばこより匂いが少ないぶん、むしろ「マナーのいい選択肢」として使っている人も多いはずです。
ところがシンガポールでは、加熱式たばこは紙巻きたばこの仲間ではありません。
写真: Aphis Marta / CC BY-SA 4.0
電子たばこと同じ、禁止品の側に入る
シンガポール保健科学庁(HSA)は、輸入や所持が禁じられている品目として、電子たばこ(ベイプ)と並べてIQOSなどの加熱式たばこを明記しています。2018年2月からは、こうした製品は輸入や販売だけでなく、購入・所持・使用そのものが禁止されています(HSA Vaping enforcement)。
旅行者が自分で使うために持ってきた一本でも、扱いは変わりません。日本では普通に売られている、という事情は考慮されないのです。
2025年9月、日本人が拘束された
取り締まりは、ここ数年で厳しさを増しています。在シンガポール日本国大使館は2025年9月16日、電子たばこに関する罰則が9月1日から強化され、当局による取り締まりも強化されているとして注意を呼びかけました。その中で、邦人が当局に拘束される事案も発生していると伝えています(在シンガポール日本国大使館「シンガポールにおける電子たばこ規制について」)。
空港も例外ではありません。HSAと入国管理当局(ICA)が2023年12月にチャンギ空港で行った合同取り締まりでは、177人が電子たばこを持っているのが見つかり、そのうち61人が罰金を科されました(ICA)。
罰金を免れた116人がしたこと
同じ発表には、もう一つの数字があります。残りの116人は、罰金を科されませんでした。到着時に自分から申告し、その場で手放したからです。
当局は、こうした品を持っている旅行者は、到着時に税関の**赤いカウンター(レッドチャネル)**で申告して引き渡せば、罰則を免れると案内しています(同)。
もちろん、いちばん確実なのは、最初から持っていかないことです。
- 加熱式たばこの本体、充電器、専用スティックは、日本の家に置いていく
- 荷造りのあと、リュックやジャケットのポケットに一本残っていないか確かめる
- もし機内で持ってきてしまったことに気づいたら、到着後、入国審査を抜けた先のレッドチャネルで申告する
ガムをスーツケースから出すとき、同じ手で外ポケットの加熱式たばこも出しておく。シンガポールの厳しいルールの中で、日本の旅行者がいちばん見落としやすいのは、この一本です。
ヘッダー写真: Matteo Morando / CC BY-SA 4.0(Wikimedia Commons)