チェックアウトで想定外の出費、ベルリンのホテルで別に払うお金
ベルリンは、ヨーロッパの首都のなかでは宿が手ごろな街だと言われます。予約サイトで「安い順」に並べ替え、駅に近くてレビューも悪くないホテルを見つける。1泊120ユーロ、4泊で480ユーロ。ほかの候補と見比べて、数ユーロでも安いほうに決める。宿代を削った分は、ビールとカリーヴルストに回せます。
予約は済み、支払いも済み。あとは現地で鍵を受け取るだけ——のはずでした。
4泊目の朝、フロントで
チェックアウトの日、フロントで差し出された明細には、見覚えのない一行が入っています。「City Tax」。金額は36ユーロ。部屋代はもう払ってあるのに、と聞き返すと、これは市の税金なので別にいただいています、と説明されます。
36ユーロは、ベルリンならちょっとしたレストランで夕食を二回とれる金額です。数ユーロの差で選んだはずのホテルが、最後の朝にまとめて値上がりしたような気分になります。
宿泊料の7.5%が、市の取り分
ベルリンには、観光などで有料の宿泊施設に泊まる人にかかる**宿泊税(Übernachtungsteuer、通称City Tax)**があります。税率は2025年1月1日から、**宿泊料金の7.5%**に引き上げられました(それまでは5%)。計算のもとになるのは純粋な部屋代で、朝食やミニバー、駐車場代などは含まれません(ベルリン市 財務局 FAQ Übernachtungsteuer)。
税金を市に納めるのはホテルなどの宿泊施設で、宿泊客からはホテルが受け取ります。2024年4月からは出張での宿泊も対象になり、仕事でも観光でも払う税金になりました(同)。
4泊480ユーロの部屋なら、7.5%で36ユーロ。冒頭の一行は、この計算です。
「表示価格」に入っているとは限らない
厄介なのは、この税金の見せ方が、予約サイトやホテルによってまちまちなことです。最初から料金に含めて表示しているところもあれば、予約画面の小さな文字で「料金に含まれない税金」として別記し、現地で請求するところもあります。旅行者の口コミでも、チェックインやチェックアウトのときに初めて気づいたという声が繰り返し出てきます。
つまり「安い順」に並べた一覧は、同じ条件で比べた一覧とは限りません。税込みで表示しているホテルが、税抜きで表示しているホテルより数ユーロ高く見えて、実際には安い、ということが起こります。
比べる前に、合計金額の内訳を開く
予約サイトでホテルを比べるときは、候補ごとに料金の内訳を開いて、次の一行を探します。
- 「City Tax」「宿泊税」「Übernachtungsteuer」「Tourist tax」などの表記があるか
- それが「含まれる」なのか、「含まれない(現地払い)」なのか
含まれないと書いてあれば、部屋代に7.5%を足した金額で比べ直します。1泊100ユーロなら7.5ユーロ、4泊なら30ユーロ。数ユーロ差で迷っている候補同士なら、これで順位が入れ替わることも珍しくありません。
ベルリンの宿代は、予約画面の数字に7.5%を足して、はじめて本当の値段になります。その計算を先に済ませておけば、最後の朝のフロントで驚くことはありません。
ヘッダー写真: ArildV / CC BY-SA 4.0(Wikimedia Commons)